当局、たった一通の通達で 【14日
北京発・
サイバー悟空】 「7月4日だったと思うわ。通達が来たの。もうないわよ。9月末までだめね」。
外国人も多い北京大使館街近くのDVD屋の女性店員が話した。
「もうない」のは、海賊版のDVDやCDだ。この店の棚には、これまでの3分の1ほどしか商品が並んでいない。特に海外の
映画は激減。
中国の作品ばかりが並んでいる。客はいない。この店員女性は暇そうに、店の
テレビを見ていた。
街を歩くと、これまでDVD屋だった場所がもぬけの殻になっている。店の中は、壁から剥がれ落ちそうなスターたちの
ポスターだけが残り、ちょっと前までここがDVD屋であったことがわかる。棚さえ見当たらない。
今月に入り、北京から映画・音楽の海賊版DVD・CDが街中から消えた。まるで、津波が引くように、一気に、しかも静かに全てが消えてなくなっている。
店舗を構えず、私の住む
マンション一帯で海賊版DVD・CDを売り歩いている男性は、「パラリンピックが終わるまで商売にならないよ。仕入先も、もう海賊版がつくれないんだ。在庫がないんだよ。8月、9月は家でテレビでも見ているよ。今は自分の持っている在庫処分さ」と笑っていた。
(
考) 通達を出した当局は城市管理局だろうか。たった一度の通達で北京の街から海賊版が消えた。
知的財産権の侵害はなはだしい中国。世界からも叩かれている。叩かれるたびに、「政府は取り締まりを強化している」というが、これまでは、街中に海賊版があふれていた。映画なら一枚6元(約90円)。原価2元から3元ほどで海賊版は
生産されている、という。ハリウッドの新作でも、下手をすれば日本でのロードショー前に中国では海賊版が出回る。堂々と街中で売りさばかれている。中国政府は「海賊版を容認しているんだ」としか思えない状態だった。
しかし、北京五輪1ヵ月を前に、当局は本気で取り締まりに出た。そして、それはたった一通の通達で、可能だったことになる。中国政府は、これまでも海賊版DVD・CDの出所(生産現場)も売り場(店舗)も全て把握しているに違いなかった。でなければ、一瞬で海賊版を消し去ることなどできないだろう。
となれば、これまで中国政府は、対外的には「取締を強化している」としながらも、国内的には看過していたことは明らかだ。海賊版を生業として生きている人々は多い。そして、かれらから役人に流れる汚れた金も少なくないのだろう。北京オリンピックの影である。
パラリンピックが終わり、国慶節(中国の建国記念日)が過ぎれば、当局は掌を返すだろう。海賊版は再び街中に出回るに違いない。
posted by goku8 at 17:55|
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